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2011. 6.24.Up Dated.
攻勢しか道がない?
 
 先週も書きましたが、REITを取り巻く環境に好材料は多くありませんし、この先も不安定要因が付きまといます。仮にこういう状況が年内続き、来年もそれを引き継ぐようになると、REITの下位銘柄は益々苦しくなります。これを淘汰と割り切ることも出来ますが、既に35銘柄まで減少したREITは、下手をすれば20銘柄前半まで縮小する可能性もあります。
一方、一定の市場評価を得ている銘柄は他人事だと思うかも知れませんが、成長が鈍化したREITではそうは行きません。今のような環境で自らの保全を図るには、市場全体を維持して活性化させなければ地盤沈下は必至ですから、そういう危機感を持って欲しいと思います。
勿論、厳しい状況に晒されている下位銘柄は尚更ですが、今のままで堪えていても簡単には展望は開けませんから、攻勢に出るしか道がないかも知れません。
攻勢と言っても、具体的に何が出来るのかが問題ですが、兎に角打って出るという姿勢から始める必要があります。
かつて、私募ファンド全盛時代に隆盛を極めたファンド運営会社は軒並み没落しましたが、今でも何とか堪えているのはケネディクスだけになりました。ケネディクスは苦しい中で海外へ向けての活動を活発化し、海外投資家の資金を入れながら踏み止まっているようですが、これも一つの方策です。国内の考え方や見方がそのまま海外に移転するという訳ではありませんし「所変われば品替わる」と言うように、場所を替えれば視点も変化します。従って、下位銘柄は外へ打って出るという展開に活路を見出す必要があります。
それには、先ず、アジアです。
欧米は難しい状況を抱えていて経済が停滞傾向にありますが、アジアは依然として成長が続いていますから、こういう地域の投資家に対してアピールするのが有効です。成長段階にある投資家は、国内投資家よりはリスクテイクしますし、プラス思考に傾きますので、日本のREITが理論を固めて攻勢に出れば支持される可能性があります。
1つの銘柄だけで動くのか難しければ、複数銘柄が合同で、海外説明会を実施する方法もありますから、こういう展開に一日の長があるケネディクス不動産投資法人が音頭を取って企画してみるのも良いと思います。勿論、東証や金融庁等の関係機関も協力する必要はありますが、先ずREIT側から動かなければなりません。
下位銘柄の中には強いスポンサーが居てそれに頼っている所もあると思いますが、そのような事だけで存続できる程甘くはありませんから、ここは一気呵成に攻勢に出るという考え方を持って欲しいと思います。

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