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2011. 6.17.Up Dated.
茹で蛙の法則
 
 茹で蛙の法則の話はかなり広く知られていますが、ウィキペディアで調べると、変温動物である蛙ではそのようにはならないというのが動物学的見解のようで、寧ろ人間などの恒温動物ならあり得るということのようです。
冒頭からこのような話題を出したのは、実はREITもこういう状況にあるのではないかという懸念からです。
震災後の急落局面は一旦凌ぎましたが、その後はパッとせず、震災前の勢いは感じられません。この状態のままで居ても好材料は期待出来ませんし、却ってマイナス材料の方が心配です。
恐らく、REITの資産運用会社にも同様の感覚を持っている人も居られると思いますが、先行き不透明という状態は、見えないのではなく分からないからですので、動きようがないとも言えます。
そうこうしている内に、環境が悪化して茹で上がってしまうというのが冒頭の比喩ですが、環境が変化するときは、やはり人間は少しジタバタしないといけないと思います。
上位銘柄の中には大尽感覚で鷹揚に構えている所もあるようですが、こういう時はそれも通用しそうにありません。

それでは何をすれば良いかですが、こういう時は原則に立ち返って、そこから再度組み立ててみる事だと思います。
REITは投資家の為に作られた仕組みですから、やはり投資家の立場に立って考えてみることから始める必要があります。投資家の動きが小さいのは、REITの将来が不透明だからですが、投資家がそう思っている時に同様に考え込んでしまっては運用のプロとは言えません。
そこで、先ず自らの描く成長戦略を投資家に訴える事が必要です。勿論、その成長戦略がこれからの環境で功を奏するか否かは分かりませんが、当たり外れよりも方向を示すことがプロの役割ですから、ここは頑張って欲しいところです。
また投資家への説明としては、決算説明会での証券アナリストへの説明やHPでの開示だけでは不十分だと言えます。出来ればフェイスツーフェイスの機会を設けて身振り手振りで訴えるのが良いと思います。 難しい時は面と向かってが基本ですから、こういう時こそ投資家との接触機会を多くして自らの考えを訴える事が資産運用会社の義務でもあり、また役割ではないかと思います。

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