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2011. 5. 6.Up Dated. |
GW期間 |
今年のGW(ゴールデンウィーク)は、今までと大分違った心持ちで過ごした方も多かったと思います。 私は、例年この期間は半分は仕事に充てているので過ごし方に変化はありませんが、今年は気持的には沈殿した気分が拭えませんでした。 この心情が何時になったら消えるのか分かりませんが、もしかしたら消えない方が良いのかも知れません。 阪神大震災の時に、当時勤務していた会社の社員が被災しその後うつ病になってしまい、そのまま自然休職となり、郷里の親族が引き取っていったことが思い出されます。 その時私は復旧の為に忙しかったので、その心情を理解するまでには至りませんでしたが、今回のように傍観の立場に立って、少しは理解できるようになりました。 あれだけの被害があった大震災が心の底に欝となって残ることは自然の感情だとも言えますが、一方で、この沈殿した気分が、次の何かの発酵をもたらすのではないかとも考えられます。 誰しも感じていると思いますが、この天災によって考え方・見方・行動を改めて行かなければならないとも感じていますが、どのように変える必要があるのかは五里霧中です。 言わば、半分は手探りの状態で進む事になりますが、それは学生時代の気分でもありました。 その不透明な状態が、その後の人格形成と人生を染めていった事を考えると、既にシニアと呼ばれる世代に入って、再びその機会が訪れたとも言えます。 特に最近考えるのは、多様性と同一性のバランスの問題です。 私は元々多様性論者で、自らも多様性確保の小さな一翼になろうと心がけていますが、今回の震災によって、必要とする多様性と同一性のバランスが非常に難しいと、改めて感じられました。 震災が生じても現地に大きな混乱が生じなかったのは、同一性の利点ですが、逆に、それは福島原発のような人災を引き起こす原因にもなったとも考えられます。 世の中はメリットだけしかないという事はなく、その反対側には必ずデメリットがビルトインされていますので、物事は二択では考えられません。 アナログ的バランスこそ肝だとも言えますが、その程度を推し量ることは人知を超えているとも言えます。 キリスト教のような宗教では「神の御技」と考えるようですが、宗教観の乏しい日本では容易には答えが得られません。 然しながら、容易に得られないからこそ答えなのだとも言えますが、そんなことを徒然に考えてしまうGWでもありました。 |
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