◇コラムトップ |
2010. 9.10.Up Dated. |
合併第2ラウンドか? |
昨日、グローバル・ワン不動産投資法人の資産運用会社(略称;GAR)の株主異動の発表がありました。 内容は、持株比率筆頭にあったキャップマークジャバンの保有株式を森ビルグループに譲渡するというものでした。 元々、GARは特定の株主に支配権を握られない為に、単独株主の持ち株比率は10%に抑えていましたので、キャップマークジャパンも2社で14.9%の持株比率になっていて、その分を森ビル鰍ニ関連会社の森喜代鰍ノ譲渡したものです。 但し、GARの資本構成の内容を見ると、明治安田生命、三菱東京UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行等の三菱グループの金融機関が合計で30%超を占めていて、実質的には三菱東京UFJ銀行の影響力が最も大きいと言えます。 また、三菱グループ以外には近畿日本鉄道グループが14.9%を保有していますので、今回の株主異動によって、 ・三菱グループの金融機関 ・近畿日本鉄道(メインバンクは三菱東京UFJ銀行) ・森ビル の3グループが主要株主になったと言えます。 この株主構成を見ると、森ビルが新たにGARに参画した事になり、この先のシナリオに関心が集まります。 それは、森ビルがスポンサーになっている森ヒルズリート投資法人との合併があるのか否かです。 客観的な状勢を見ると、グローバル・ワン不動産は保有ビルの分散が十分でない為に主力ビルのテナント異動による一時的な賃料減の影響が大きくなっています。 一方の森ヒルズリートは賃料水準の下落によって保有資産の利回りが低下し、パフォーマンスが悪化しているという事情を抱えています。 この両社の状況を打開するには合併が近道だと言えますから、その可能性は高そうです。 実は、私も1年以上前にGARに合併を考えてはどうかと話した事もありますが、その時は特に反応はありませんでした。 又、森ヒルズリートに対しても合併は緊急避難策になり得ると話した事もありますが、当然ながら資産運用会社からは明確な答えはありませんでした。 その後REIT間での合併が多発しましたから、それの影響もあったと思いますが、今回の株主異動によって、合併への道筋が付けられたとも考えられます。 その為か、今日のREIT市場では投資口価格が反応していますが、未だ不確定ですから、暫くは様子見という投資家も多いと思います。 それでも、今回の動きを見ると、REITの合併は終わりではなく、第2ラウンドに入ったというのが妥当な見方ではないのかと思います。 |
Copyright (c) SYC Inc. All rights reserved. |