コラムトップ
2010. 6.25.Up Dated.
J-REITの広報活動について

 J-REITを広く一般に伝えてくれる人を探すとなると、中々見当たりません。
私も、一般への普及についてはJ-REIT創立当初から行っていますが、どちらと言うと専門的ですので、もっと投資家目線に近い形で普及啓蒙活動をしてくれる人達が必要かも知れません。
J-REITが6銘柄しかなかった頃は、資産運用会社も普及啓蒙活動には高い関心を抱いていて、フィナンシャルプランナーへのアプローチ等も行っていました。
この頃は、FPの人達も新しい投資商品のREITには注目していて、私も日本FP協会の全国大会で講演を行ったりしましたが、仕組みを完全に理解することが難しく、単発セミナーでは限度がありました。
そして、その後のREITの投資口価格の上昇と市場の拡大によって、銘柄側も一般への普及啓蒙活動に対する意欲が低下してしまい、投資家構成が機関投資家に偏った形に移行してしまいました。
今日、振り返ってみると、J-REITの一般普及啓蒙活動の弱さが今のJ-REITの弱点になっているとも言えます。

一方、不動産の実物投資を勧める人達は多く、マスコミ等にも頻繁に露出していますので、マンション投資に比べるとREIT投資はマイナーな位置にあると言えます。
この彼我の差については、先日の個人投資家セミナーでも説明しましたが、個人の不動産投資としては圧倒的に優れているREITがマイナーな位置にあるのが残念でなりません。
この気持ちは銘柄側も同じだと思いますが、不動産企業を母体としたREITは、あまり強くは言えないという事情もあるのかも知れません。
今年に入って都内の分譲マンションに回復の兆しが表れていますが、購入を検討する際には投資目線でも見るようになっていますから、マンション投資はREITより劣後しているとは言い難いのかもしれません。

勿論、このようなこと以外にも事情がありますが、それでも、銘柄側がもう少し考えても良いのではと思いますが、不動産企業を母体とした銘柄が上位にランクされている現状では、先頭に立つ所が見当たりません。
私は、普及啓蒙活動の重要性を長い間言い続けて活動もしていますが、組織も持たない個人ではどうしても限度がありますし、銘柄側に偏る立場でもないので、今一つ物足りなさがあると思います。
こう考えると、もう少し立場を偏らせてREITの一般広報を中心にして活動する人達が出るのも必要なのかも知れません。
それには証券界出身の人が適任ではないかと思いますので、こういう人たちの中から誰か候補を探して活動を後押しするような方法も検討してはどうかと思います。

 
Copyright (c) SYC Inc. All rights reserved.