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2010. 6. 4.Up Dated.
不動産投資が徐々に再開か?

 リーマンショック後の一時期に比べるとREITの物件取得もやや活発化してきましたが、それでも最盛期の半分以下というペースです。
尤も、最盛期はかなりアバウトな物件取得が多かったので、まともな取得に絞り込んでいると考えれば、70%程度に回復したとも言えます。
またREIT以外での不動産取得も少しずつ始まっているようですが、中には依然として価格上昇を狙った底値買いの取得もあるようです。
物件情報をいつくか拾ってみると、買いの方は比較的保守的な設定をする主体が増えていますが、売りの方は相変わらず交通事故のように出会いがしらで、都合のよい買い手を探すような価格設定も目立ちます。
オフィスビルの売り情報等では、設定賃料と想定稼働率が、現下の市場状況と乖離した設定になっていたりしますし、賃貸マンションの売り情報も、設定賃料の合理性に疑問がある物件も目立ちます。
こういう売買の実態は過去に何度も経験しましたが、かつては何れ買い方が売りに近付く事で売買が活発化するという道筋を辿りました。
今日でも、不動産情報を持ち回る人達は同様の感覚で動いているようですし、直近市場動向のデータ等を把握せずに情報を交換しているようです。
尤も「不動産屋はいつもこんなものです」「不動産に根拠なんて必要ない」という人達が依然として多いですから、当たり前なのかもしれません。

それでも、このような情報の元を辿ると、売主が建設会社だと判明する例も多いようです。
一昨年からの不動産会社の倒産によって、建設会社が物件を引き取ることになり、そのまま抱え込んでいて処分に困っているようです。
大手及び中堅建設会社では、そういう物件を複数抱え込んでいるようですが、減損処理に至らない間は無理して売却はしませんし、売却損を償却出来る力がなければ売りません。
この状態は、膠着状態にあるとも言えなくはありませんが、もう少し我慢していれば徐々に景気が回復して何とかなるというのが本音のように思えます。
企業経営には我慢も必要だと言う考え方がありますが、確かに時によっては我慢する事で事態が好転する事もありますが、通常は経営者の我慢は苦しい時だけです。
本来は、好調時に浮かれないように我慢する方が賢明なのですが、大抵は逆になります。そして苦しい時の我慢は方法論がないので耐え忍ぶだけというのが実態のように思えます。
「耐え忍ぶ」という姿は何となく日本的美学の香りがしますので、何処かに心地よさも感じるでしょうが、本来は解決能力のなさを恥じるべきなのです。
今日の不動産状況についても、企業経営者が何とか自力で解決するという方向に向かえば、正常な市場機能が働き、徐々に活性化するだろうと思いますが、我慢だけが取り柄という状態では、結局は旧態依然の不動産屋頼みしかないのかも知れません。


 
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