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2010. 5.21.Up Dated.
REITのスポンサー交代後について

 REITのスポンサーが変更・交代した例はかなりの数に達していますが、その後の市場の反応を見ると、投資口の下支え効果はあるものの、反転攻勢とまでは行きません。
ビ・ライフ投資法人、ジョイント・リート投資法人、プレミア投資法人の例では、従前に比べて支援体制が強化されたはずですから、そのメリットを市場に伝えることが出来れば、もう少し評価が高まるのではないかと思います。
然しながら、スポンサー交代後の説明では、パイプライン(物件情報及び物件提供の優先契約)の強化と金融機関の与信向上の説明が主流で、エクイティにとって、特に目新しい内容はありません。
又、説明も従前の資産運用会社の立場で行いますから、ややほっとしたという本音が窺えます。
これでは、エクイティが強く反応する程ではありませんから、結局は投資口価格の下支えに終わっています。
本来は、スポンサーの交代によって、どういう成長戦略に変わるのか、どういう方向に展開していくのかという青写真が必要なのですが、そこまでの説明はありません。
スポンサーが大企業に代わっても、REITに関する知識と経験は、従前の資産運用会社の方が上なので、遠慮もありますから、結局は資産運用会社ペースで事が運びます。
然しながら、従前の資産運用体制では市場評価が芳しくはなかったのですから、その延長線上では、評価が好転しないのも当然です。
REITのような仕組みでは、エクイティにとって、スポンサー交代は価値反転型(目に見える投資口価格の反転上昇)に期待が集まりますから、それが見えないのでは失望されます。
価値反転型ならば、スポンサーは明確な成長戦略を携えて登場しますから、当然スポンサー交代後にその説明がなされますので、投資家は判断の修正が必要となります。
所が、実態は判断の修正材料が提供される程ではありません。
恐らく、REITのポートフォリオ戦略をどう変えていくのか、財務戦略の何を改善してエクイティへのメリットを増やすのかという具体的説明が出来るレベルまで達していないのがその原因ではないかと思われます。
著名な大企業であるスポンサー側も、不動産投資戦略となると、半玄人の域を出ませんから、エクイティに響くような戦略を直ぐには出せないのは仕方ありませんが、それならば相応の努力を重ねる必要があります。
大和ハウス、積水ハウス、NTT都市開発は、果たしてその努力を何処までしているのでしょうか、勿論、従前の知識経験だけで間に合うとは思っていないでしょうが、その辺が見えてこないのも残念です。
これら3社は私のセミナーにも何度も参加されていますが、実際にREITを参入したのであれば、より具体的に、且つ、深い知識と見識が必要となります。
当然のことですが、企業のネームバリューと名刺の肩書でこれらを賄うことは出来ませんので、どうやって短時日に蓄積していくのかを見ていきたいと思います。

 
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