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2010. 3.19.Up Dated.
REITの銘柄選び

 REIT投資を考える人にとって厄介なのは、 どの銘柄を選べば良いか? どの程度の価格で投資を決断するか? 配当利回りはどの水準が妥当なのか? 等だと思います。
投資家が実際にREIT投資を行うとしても、銘柄選びが難しいことで、結局は見送ったり、REITのファンド・オブ・ファンズや投資信託に流れたりしているのかも知れません。
一時期、REIT側も投資信託が個人投資需要を吸収してくれると考えていて、投資信託の普及に期待していましたが、データを見る限り、投資信託に大きな期待は寄せられません。
東証発表の投資部門別売買動向を見ると、投資信託は買い越し主体ではあるもののREIT市場の取引シェアーは10%以下で推移していて、シェアホルダーの外国法人の37%や個人投資家の20%前後には及びません。
東証REIT指数の動きは市場の売買金額と順相関の関係にありますから、売買の活発化が投資口価格上昇の鍵となりますので、投資家が抱える問題を少しでも解消する必要があります。

このように考えると、REITの銘柄選びの方法が提案されることが必要になりますが、上場38銘柄を選別する方法となると、業界団体等では扱えませんから、利害関係のない第3者に頼るしかありません。
私も従来から本サイトの有料コンテンツやセミナー等を通じて銘柄選別の方法を提案してはきましたが、内容的にかなり難しく、投資家には手に負えない面もありました。
これを何とか改善したいとは思っていますが、余り簡単にすると、精度が低くなったり、私見が入り過ぎたりして、実際には使えないものになってしまいます。 とは言っても、選別手法が何もない状態も問題ですので、昨年後半から試行錯誤を続けていて、どうにか一つのモデルが出来ました。
勿論、完全なモデルとは言えませんが、銘柄選別の出発点になりそうなので、今度の個人投資家向けセミナー(3/24開催予定)で発表するつもりです。
そして、今後もこの手法を改善して、より精度が上がるような形に近づける為に、近々会員サイトにも掲載して、会員の方の意見も聴きながら改良していこうと考えています。

更に、もう一つの課題として、不動産事業の財務分析手法の確立があります。
これは個人投資家にとってはハードルが高いですが、機関投資家や投資ファンドにとって、又、金融機関にとっても有用な分析手法です。
この財務分析については昨年8月の実務セミナーで取り上げましたが、この時は問題提起という面もあって、考え方や使う指標の解説が主になりましたので、今後は体系だった説明とREITの経営戦略に結びつけた解説が出来ればと考えています。
然しながら、これも簡単ではありませんから、やはりセミナー等を通じて、REITをビジネスとして関わっている実務家の人たちの意見や反応も確かめながら、進められれば良いなと考えています。

 
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