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2009. 9.18.Up Dated.
最近の取材の傾向から

 9月に入って雑誌等からの取材申し込みが多くなっています。
取材内容は、大凡二つ傾向に集中しており、REIT特集では「投資法人の合併問題と官民ファンドの効用」がメインになっており、投資雑誌では「今後の不動産動向」についてです。
前者については技術的解説が主になりますが、特に合併問題についてはREIT側からの解説が少なく、投資家から見た合併の効用が不明確なようです。
株式の見方をすれば、被合併側にとっては救済的措置なので株価は上昇しますが、合併側は逆に株価が下がるというのが一般的なようで、REITの合併もこのような見方になっていて、合併側投資法人の投資口価格は余り上昇していません。
然しながら、客観的に考えれば、REIT投資法人が一般事業会社のような救済合併を出来るはずもなく、又、そのような合併を推進する権限も権能も具備されていません。
従って、投資法人が合併を推進するのは、それが自らのエクイティとデットに利益をもたらすと考えるからです。
端的に言えば、合併する事によって最終的に投資口価格が上昇すると考えているからに他なりません。
勿論、合併の手法や内容によってその効果は異なると思いますが、合併によって投資口価格上昇=市場評価の上昇を目指しているのは明らかです。
更に言えば、一般事業会社のように長い年月を掛けて合併効果を追求している訳でもなく、短期に効果が上がるという前提で仕組まれているはずです。

一方、市場は合併効果については懐疑的にようで、実際にどのような効用があるのかを計りかねています。
このような状態で、REITが合併に向けて動いても、必ずしも所期の目的が果たせませんので、REIT側の説明能力も問われています。
実際に合併に取り組んでいる投資法人は、デリケートな内容を含んでいる為に、慎重な発言と行動になるのは理解出来ますが、この状態で合併が進行するのは決して好ましくはありません。
REITはエクイティの為の器ですから、株式市場のようにエクイティに対して慎重になる必要もありません。
逆に、堂々と合併の目的と目論見を開陳して、エクイティ監視の下で推進する方が理に叶っています。
先日、再生計画案が廃止になったニューシティ・レジデンス投資法人の場合も、再生計画の内容の詰めに際してエクイティとデットを置き去りにした結果だとも聞いています。
この事例を見ても分かるように、REITの場合は常に市場との対話を行いながら物事を進めるのがスムーズ運ぶ秘訣です。 そういう意味でも、REITの合併についてはもう少し投資法人側からの情報発信が欲しい所です。

 
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