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2009. 3. 6.Up Dated. |
不動産業界の現状 |
世界同時不況の中でどの分野も大きな影響を受けていますが、不動産業界を見ると、厳しい中にあっても相変わらず旧態依然の雰囲気が漂っています。 尤も不動産業界のサバイバルはバブル崩壊から続いており、例えば中小業者の不動産仲介業等は年々成り立たなくなっていて、これら不動産業者の実質的廃業が続いています。 このまま行けば不動産の分譲・仲介業務は完全に大手寡占の状態になり、辛うじて賃貸斡旋業務だけが中小業者の活動分野になりますが、この分野も何れ寡占化の波に晒されて、中小業者の後退は必至です。 一方、大手不動産会社もシェアーが増えたとしても、必ずしもハッピーな訳でもありません。 不動産価格が下落する局面では、全ての不動産事業分野での売り上げは縮小しますから、営業利益率低下は必至ですし、加えて相対的に大きい有利子負債の利払い増加によって経常利益も低下させますから、ダブルで業績を悪化させます。 従って、不動産業の経営はますます厳しくなりますが、不動産価格が上昇する以外にこれと言った手だてがないのも現実です。 元々、日本の不動産業界は不動産価格の上昇を経営の前提に置いていて、一度上昇局面が訪れれば全てのマイナスを帳消にしてくれるということが期待出来ましたから、あまり深く考えるという習慣がありません。 不動産市場の好調時に、多額の借入金を導入し、有利子負債を膨張させる事を厭いませんし、そして、その後に有利子負債が大きな負担になるという事を繰り返しています。 何故、不動産業界が40年近くも同じことを繰り返しているのかは良く分かりませんが、恐らく人材の連続性がないのと、不動産業の経営を論理的に考えないのが原因ではないかと思います。 それでも、大手不動産会社の平均給与水準はかなり高いですから、難しいことを言わずに、お天道様次第で過ごすのがお互いの幸せかもしれません。 然しながら、こういう状況に圧力を加えそうな要因も出始めています。それは海外投資家の視線です。 海外投資家の日本の不動産に対する関心は大きくは低下していませんし、それは株式市場の不動産セクターにも及んでいます。 投資家から見れば、お天道様次第の経営では納得出来ませんから、様々な自助努力を求められますし、論理的な経営戦略も必要とされます。 一方、これらの投資家の要求に耐えられそうな質を持った企業は存在しないと言っても過言ではありませんから、当分の間は、不動産業界が浮揚する可能性はないのではないかと思います。 |
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