コラムトップ
2008. 4. 4.Up Dated.
新年度の動き

 4月から新年度になってJREITの株価も若干回復の兆しを見せていますが、未だ力強さは見られません。また、株価が回復しているのは中・高位銘柄中心で、下位銘柄柄は依然として厳しいレベルに留まっています。
このような株価の動きを見ていると、保守的な投資家層が買い進んでいるものと考えられますので、地銀等の金融機関が新年度になって投資を開始したものではないかと推測されます。
但し、地銀の動きがこの先も持続するという可能性は期待出来ませんで、JREITの株価回復には別のエンジンが必要となります。
海外投資家は、世界の投資市場での信用収縮の影響が残りますので、今後も一方的に買い進むことはなさそうですから、やはり本命は国内個人投資家です。
証券会社も遅まきながら個人投資家への普及啓蒙活動を始めたようですが、株式市場で損を出し、投資信託でもマイナスにされた個人投資家が易々と証券会社の話に乗るとは思いません。
元々、JREITは証券会社の勧誘で投資するのではなく、自らの情報収集と判断で指名買いをするような投資家向きの商品ですから、証券会社のチャンネルだけに頼っていては何時になっても「個人向けの新たな不動産投資商品」という創設時の原点を実現出来ません。
JREITは、既に誕生から7年を経ていますが、この7年間を振り返ってみても「個人投資家向不動産投資商品」という原点を追求してきた銘柄は一つもありません。
上場歴の古い高株価銘柄の中には、大口投資家重視を公言する銘柄もあるぐらいですし、個人投資家の保有比率にもあまり関心を持たない銘柄もあります。
一方、一部の古参銘柄では以前から問題意識を持っている所もありますので、それらが手を組んで個人投資家への普及啓蒙活動に積極的に乗り出す方法も有効です。
それぞれの銘柄には思惑の違いもあるでしょうが、小異を捨ててこの機会に協力して活動を開始するという方向に動いて欲しいと思います。
私も、意のありそうな銘柄に話してみたいと考えていますので、何とか今年度中に新たな動きが始められるようになればと願っていますし、又、この動きこそがJREITを本来の位置に戻す、最も確実で有効な方法でもあると信じています。
 
Copyright (c) SYC Inc. All rights reserved.