トップ
2007. 6.22.Up Dated.
J-REITの分別


 ここのところマスコミ等から、JREIT投資をもっと分かりやすく解説して欲しいとか、41銘柄をどのように選別すれば良いか、と言った個人投資家向けのガイダンスの要請が多くなっています。
実はJREIT銘柄のセレクトの要請は2005年半ばぐらいから入り始め、今年になって特に増えており、なかでも41銘柄全てではなく、個人投資家が対象とすべき銘柄をセレクトして欲しいという要望が多くなっています。
既に一部の専門誌からは、このような趣旨でセレクトした銘柄だけのデータや簡単なコメントの執筆依頼が来ていますので、何れは皆さんの目に触れると思います。

銘柄セレクトと言っても、特に明確な基準がある訳ではありませんが、それぞれを総合的に見て私の独断で選別するだけですので、個人的見解の域を出ません。
それでも、そのような情報が欲しいという声が多くなっていますので、このHPのリニュアルを機に無料コンテンツとして掲載しようかとも考えています。
例えば41銘柄を一部と二部に区分し、JREITとして一定の質を保っている銘柄を一部銘柄としたり、一部銘柄の中でも投資判断の難しい銘柄を特定したりすると、最終的に25銘柄程度まで絞り込めます。
JREIT初心者の方は、この25銘柄の中から自分の投資する銘柄を探すという形になれば、投資の際の負担が少なくなります。
勿論、このような区分も固定される訳ではなく、必要に応じて見直しを行い、一部・二部の入替えもありますので、投資家にとって参考にはなるかもしれません。
但し、この区分は、投資利益に叶うと言うより、JREITとしての資質を見るだけですので、短期の投資姿勢を持った投資家の方の役には立ちません。

元々、JREITは株式よりも債券に近い投資商品だと言われていますが、債券市場では格付け情報が重要な投資判断根拠になっています。
JREITも投資法人債発行の為の格付けを取得している銘柄も増えていますが、こちらはデットの格付けですので、エクイティ(投資口)の情報としては不十分です。
現在取得されているJREITの格付けは全てシングルA以上になっていますので、格付けからはその差は明確になりませんし、さらにJREITの仕組みを見れば、どの投資法人もデットの返済力では大きな差は生じませんので、エクイティ投資情報としての効用はあまりありません。

インカム型投資商品だと言われるJREITでは、投資家は中長期で銘柄の特徴や強味・弱味を見て判断する必要がありますが、その参考となる情報がないのは確かに問題です。
この意味ではトライする価値がありそうですので、もう少し検討した上で何らかの形で情報発信するようにしたいと思います。


 
Copyright (c) SYC Inc. All rights reserved.