皆様明けましておめでとうございます。
このコラムもお蔭様で4年続き、既に掲載数は120回を超えました。 今後もこのペースで執筆する所存でございますので引き続きご愛読の程よろしくお願い申し上げます。
さて、今年は亥年ですが12年に一回巡ってくる干支は、かつてを振り返る契機にもなると思います。
思い起こせば、12年前の日本は未だバブル崩壊の傷跡が残り、不動産価格は低迷しJREITの影すら見えていませんでした。 私も、その頃はサラリーマンをしており、会社の資産リストラや債務リストラの提案を行い、一部は実行に移されていたように記憶しています。当時の記憶をたどると、高度成長下で育った私たち世代にとって活力を失った企業と社会の魅力は半減化していました。面白い仕事をしたいというのが、私の職業観でしたので、当時の企業社会では望みが薄くなったことが独立の引き金になったのではないかなとも回想しています。
その後、JREITに巡り合い今の仕事を始めましたが、JREITの初期の頃は多くの人がその発展性に疑問を抱いていました。 そのJREITが40銘柄になり、投資口の時価総額も5兆円にまで拡大したのは、何よりも投資家の方の支援と、志を持って資産運用に携わった銘柄側の努力の賜物だと思います。
然しながら、JREITの資産運用会社の人たちは代替わりが進んでいて、初期の頃からJREITを見つめてきた人たちは少なくなり、今は第2世代の人たちの活躍が目立ちます。
新しく参入した銘柄の方たちは、株価に一喜一憂しているとも思いますが、初期の頃は株価が60万円/口を超えれば了とする雰囲気でした。 これはJREITの仕組みを考えればある意味では当然の感覚ですが、その後有価証券取引の面が強調されるようになって株価が大きく上昇し始めました。この傾向は今年も続きそうですが、あまりにも株価が高くなると個人投資家の離脱を促進しますのでJREITにとってマイナスにもなります。
一方、今年は2007年問題と呼ばれた「団塊の世代」の退職が増えますので、新たな投資家を呼び込むチャンスにもなります。 年末の日経新聞に掲載されていた記事では、代表的金融商品の中ではJREITは最も高いパフォーマンスを出したと解説されていましたので、「団塊の世代」の退職金の運用先として脚光を浴びそうです。
こういうタイミングではJREIT投資や銘柄選びのガイドブックが欲しいところですが、JREITに関する書籍は少ないのが実状です。 かくいう私にも、JREIT解説本の執筆の要請を頂いてはおりますが、なかなかなかなか時間が取れず未だに着手出来ません。
今年はもう少し頑張って執筆に励もうかと考えていますが、他にも、JREITの解説を行う人が居ると思いますので、是非、それらの方達が筆を取ることを期待したいと思います。
JREITが拡大したと言っても、未だマニア向け投資商品の域を出ませんので、今年はもう少し一般化されれば良いなと思っています。 その為には、一般向けの解説書が必要ですので、このコラムをご覧になっているマスコミ関係の方、又、業界関係者の方にも、是非トライして頂くようお願い致します。
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