トップ
2006.10.20.Up Dated.
株価の根拠


 

 現在上場済39銘柄の日々の株価は何によって形成されているのかという点については、関係者の間でも話題に上ることが多いようです。 先日も、知人から保有資産の利回りやFFO、LTV等の指標と株価との関係を多重比較分析しても相関が見当たらないという結果が出たという話を聞きました。 又、新興銘柄からは、他の銘柄と比較して自分達の株価には納得いかないという声も聞かれます。
確かに、現在の市場株価を説明出来るようなインデックスは見当たらず、又、デジタル的な分析では上手く説明出来ないようです。

一方、過去から今日までの市場の流れと、投資家の好みというやや曖昧な要素をベースにして株価を見ると、何となく理解出来る面があるのも確かです。 但し、それもデジタル的な見方ではなくアナログ的な見方が必要ですが、各銘柄を株価の順に並べて、それぞれの特徴を併記してみると一定のパターンが見て取れます。
これによると、投資家はイメージ(オリジネーターのイメージ)をベースにして、その他の要素を加味して投資判断を下しているように見えます。
オリジネーターのイメージというのは私の独断(又は、偏見?)ではありますが、大凡以下のようではないかと考えられます。
私募ファンド≒「バブル」
中堅デベロッパー≒「不動産屋」
これらのイメージはJREITとしてはマイナス要素だと思いますので、JREIT進出に際しては、これらのマイナスイメージを自覚した上で市場への訴える必要がありそうです。
例えば、私募ファンド出身銘柄であれば、バブルイメージを助長するような資産の取得を避け、又、取得価格も保守的に設定する等の工夫が必要です。 中堅デペロッパーであれば、徹底したコンプライアンスと情報開示をベースにして、資産を充分に吟味するという姿勢を鮮明にする必要もあります。
ところが、実際の上場銘柄を見ていると、イメージに添った資産内容になってしまっているという面があります。
企業のイメージというのは、なかなか変えられませんので、自分達が世間からどのように見られているのかを点を冷静に判断して、マイナスイメージに繋がる要素を少なくして、プラスイメージを助長するような資産組成と運用を最初から心掛けるという考え方も必要です。 公募価格割れを起している銘柄からは「予想外だった」という声も聞かれますが、客観的に見れば、「予想通り」と言えなくもありません。 イメージが先行して株価が形成されるのは納得いかないとも思いますが、投資判断には好悪や評判も重要な基準になりますので、投資家の感情にも配慮した動きが必要なのではないかと思います。
Copyright (c) SYC Inc. All rights reserved.