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2006. 5.25.Up Dated.
J-REITの多用途化
 
 JREITの投資対象不動産が徐々に広がりを見せています。
当初はオフィスビルだけで始まりましたが、次に、商業施設、住宅、ホテル、そして物流倉庫まで投資対象が広がり、最近では有料老人ホームまで含まれるようになりました。 これらの用途を不動産取引市場での流動性を見ると、住宅が最も高いと言えますが、それ以外の用途は、近年台頭してきたファンドビジネスによって支えられているというのが現実です。
それにも拘わらず、JREITの投資対象用途が拡大するのは、不動産の価値が土地価格によって決まった時代から不動産から生じるキャッシュ・フローによって算出されるようになったことと、JREITには私募ファンドと違って償還がない事から、保有資産を長期保有出来るという仕組みからだと考えられます。
JREITも、理論的には保有資産を処分し、解散して投資家にエクイティを償還するというケースも考えられますが、実際には、保有不動産からキャッシュが生じる限り投資商品として成立しますので、保有資産全てを換金化するケースは、収益が得られなくなった時か、又は、大きな含み益が期待出来る時だけだと思われます。従って、投資対象の適否は、不動産から生じる収益の継続性と収益率によって判定されることになりますが、この視点で見ると、現在の投資対象用途は一応の合格ラインに達していると考えられます。

 以上のように、マクロで見ればJREITの投資対象用途の広がりも許容出来そうですが、投資判断に際しての問題としては、個々の不動産の質と収益性のチェックが必要です。
例えば、エルシーピー投資法人が保有している有料老人ホームの場合、賃貸マンションとしての用途と比べて、どの程度収益性が変化したのかという説明が欲しいところです。 一例として、世田谷の千歳船橋に保有している有料老人ホームは、元は大手デベロッパーの独身寮でしたので、これをリニュアルして賃貸マンションとして運用するケースと有料老人ホームとして運営する収益力を比較する等の工夫も欲しいところです。

 不動産投資の原則は土地の最有効活用ですので、それぞれの用途が立地に合わせて最有効利用になっているという点を投資家に説明することが必要です。 有料老人ホームやホテル等は今後も投資対象として増える見込みですが、銘柄側はしっかりとした理論武装をして投資家に説明出来る準備をしてから踏み込んで欲しいと思います。

 
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