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2006. 3.23.Up Dated. |
REITの人事異動 |
この季節は企業では人事異動の時期ですが、JREITの資産運用会社でも毎年同じようにこの時期に人事異動が行われています。 私の所にも、3社の資産運用会社から異動の知らせが届けましたが、何れも資産運用責任者のポストにある方でした。 JREITの資産運用会社の幹部はオリジネーターからの出向で賄われている所も多く、原籍の企業の人事異動によって資産運用会社の体制も変更を余儀なくされます。 サラリーマンの宿命と言ってしまえばそれまでですが、JREITのような仕組みでは資産運用会社の体制は投資判断の重要な要素ですので、企業の人事異動とは質的に異なります。 オリジネーターがこの辺の事情を斟酌しているどうかは分かりませんが、一般的に言えば、企業の人事異動は別の論理の方が強く働きます。 このような見方をすると、出向社員で資産運用体制を構築した場合、ローテーション人事の対象からは外すというオリジネーターの配慮も必要ですが、一方で、このような制約があれば、最初の人選の質に際して問題が出そうです。 更に、人事異動の対象となる人の志向やキャリア形成という個々人の問題等、人事異動には複雑な要素があり、傍からは窺い知れない部分もありますので、一概には言えません。 但し、個人的な感想としては、この様な事情を斟酌したとしても、資産運用会社の体制について、オリジネーターは別の視点を以って望んで欲しいと思います。 サラリーマンの仕事は誰がしても大差はないという考え方や、代替性のある仕事をするのがサラリーマンの責務という見方もありますが、このような見方は厳しい競争の中で真剣に仕事をした経験のない人が言う台詞のようにも思えます。 特に、資産運用会社のように実質的に投資家の資金を預かり、少人数の人員でプロとして運用を行っている企業形態を、オリジネーター企業の上層部が何処まで理解しているのかは疑問が残ります。 JREITも既に32銘柄に達し、今年は投資家の奪い合いになりそうな状勢ですので、資産運用会社にとって正念場の1年になります。 従って、JREIT投資家とっては、資産運用会社の体制変更をサラリーマンの定期イベントと見過ごす事も出来なくなるかも知れません。 資産運用会社の人員の質は短期的には影響は表面化しませんが、3年・5年の単位で見ればボディブローのように利いてきますので、後任の人材を含めて投資家の視点で改めてチェックする事が求められると思います。 |
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