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2006. 3. 9.Up Dated. |
金融政策とJ-REIT |
本日、日銀が量的緩和政策の解除を決定しました。 元々、ゼロ金利政策と金融の量的緩和は、金融政策としては特別な措置でしたから、一定の期限で解かれるのは当然ですが、いざ解除となると色々な意見が出ています。 新聞報道によると、日銀は、量的緩和解除後の金利上昇を抑制する方向のようですので、長短金利が直ちに上昇する事はなさそうです。 金融政策の転換によるJREITの影響を考えても、急激、且つ、大幅な金利上昇がなければ大半の銘柄は静観という姿勢だと思いますが、デットの調達手法を再点検する必要はありそうです。 JREITは、昨年から金利先高を読んで、長期で確定金利の投資法人債の発行を活発化しましたが、今年はどういう財務戦略を採るのかも興味が湧きます。 量的緩和の解除が行われても、市場金利が大きく動かないとなれば、昨年同様に投資法人債の発行を活発化するはずです。 量的緩和の解除によって、資金の過剰流動性が収まれば、今のような金融機関の貸出競争による融資利率の低下が終息し、スプレッドも上昇するので、恐らく、融資利率は徐々に上がっていくと考えられます。 各銘柄の借入金動向を見ていると、昨年後半から短期借入金の調達金利が0.01%程度上昇しているのが分かりますが、今年はもう少し上昇する可能性もあります。 それでも、JREIT銘柄の財務構造を見ると、 短期借入金のない銘柄が8銘柄(内、2銘柄は借入金がない)、 短期借入金比率(短期借入金/有利子負債)1桁が3銘柄、 短期借入金比率(短期借入金/有利子負債)30%以下になっているのが13銘柄、 と、大半の銘柄が長期資金へのシフトが完了しています。 この結果、多少の金利上昇があっても、大凡2年程度は持ちこたえられる銘柄が多いのではと思われます。 JREITの仕組みを考えれば、財務戦略によって金利上昇の影響を押さえ込んでいる内に、賃料水準が上昇すれば、帳消しになると考えている銘柄もあるようですが、果たして既存テナントの継続賃料を上げられるか否かは不透明です。 それよりは、量的緩和の解除によって不動産へ流れ込んでいた資金が減少する事で、不動産価格が調整される方が期待出来ます。 金融機関が貸出競争を行っているノン・リコース・ローンの融資残高が減少すれば、収益用不動産価格の高騰が止まり、JREITが追加取得する資産の利回りが上昇することで、銘柄の収入を底上げすることが出来ます。 こうなれば、金利上昇よりも収益増の方が大きくなる可能性があり、一部の銘柄にとっては金融政策の転換もフォローとなるかもしれません。 何れにしても、今年のJREITは、従来とやや違う環境で行動しなくてはならなくなりそうですし、銘柄毎の対応によっては、影響度も微妙に変わるのではないかと思われます。 |
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