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2006. 2. 9.Up Dated. |
J-REIT株価と投資家動向 |
昨日の東証JREIT市場で日本ビルファンド投資法人の株価が110万円を越えました。 110万円をクリアした事で、JREIT株価の壁であった100万円は過去のものとなりそうですが、これだけ株価が上がることは誰のメリットになるのが疑問です。 個人投資家にとって、ここまで上がれば利益確定の売りに転ずると思いますので、個人投資家比率が益々下がる上に、日本ビルファンド投資法人の株価では、個人には一層手の届きにくい範囲になってしまいます。 売買口数を見ても連日1,000口を越えていて、JREITとしては大商いになっていますので、証券市場としては良いかもしれませんが、本来のJREITにとっては必ずしも好ましくありません。 仮に、日本ビルファンド投資法人が現在の株価を基に増資を行ったとすれば、増資価格は100万円を越えてしまいますので、将来の増資を考えれば資産運用会社へのプレッシャーが大きくなります。 時価総額が銘柄の評価という考え方はJREITでもあるようで、各銘柄とも株価の行方は気になっているようですが、JREITという投資商品は安定型長期投資ですので、投資家に対して将来の変動リスクを極力抑える事が重要です。 その為には、既存投資家に対してホールドをお願いすると伴に、長期投資姿勢の強い個人投資家を開拓し、安定株主対策を実施することも必要です。 このように考えると、株価の高い銘柄ほど個人投資家の開拓に必死にならなくてはならないのですが、総じて動きは緩慢です。 資産運用会社が、これから3年・5年・10年というスパンで見て、何をしなくてはならないのかを考え、又、JREITを不動産だけの視点で見ずに、金融投資商品というカテゴリーで考察すれば実施すべき事が分かるはずです。 一部では、最近流行っている株式分割を期待する声もあるようですが、これは目先のテクニックに過ぎませんし、事務コスト等を考えれば、既存投資家の負担も大きくしてしまいます。 JREITは長期投資家の為の仕組みですので、関連業界が潤う事より、投資家の将来リスクを軽減する事を優先する必要があります。 勿論、株価上位銘柄の中には、長期投資商品として重要性を認識しているところもあり、地味ながらそれなりの活動をしているところもありますが、全体の流れにはなっていません。 少なくとも、最古参銘柄である、日本ビルファンド投資法人とジャパンリアルエステイト投資法人が動かなくはならないと思いますが、この2銘柄の目立った動きはありません。 株価が上がった事で「我が世の春」と思っていないことを願うばかりです。 |