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2006. 1. 5.Up Dated. |
知人の訃報 |
私事で恐縮ですが、年明けに知人の訃報が知らされ愕然としました。 このコラムをお読みの方の中にもご存知の人が居ると思いますが、亡くなった方は、プロスペクト・レジデンシャル投資法人の資産運用会社の元社長の三澤悟氏です。 三澤氏は4年前にJREITを目指して、プロスペクトという会社で他の2人とマンションの一室の事務所から出発したメンバーです。私もかつてその事務所を訪れた事がありますが、真面目で好感の持てる青年という印象でした。 その後、東京駅近くのビルに移り、本格的にJREIT進出を目指しましたが、彼らのJREITに対する真摯な取り組み故に、なかなか思うような物件が買えず、一時は断念せざるを得ないと考える時期もあったようです。 彼は、不動産鑑定士の資格も持っていて、価格に対して厳しい見方もしていましたし、建物の質や立地にも拘っていましたが、それらの条件を充たす不動産は簡単には買えません。 私は、当時から開発型での取得を勧めていましたが、外資系である事、又、デベロッパーとの連携も少なかった事等でなかなか保有物件が増えませんでした。 それでも、私募ファンドの時からプロスペクトのHPでの情報開示を行なっていて、飽くまでもJREITの為の私募ファンドという姿勢を貫いていました。 聞くところによると、プロスペクト・レジテンシャル投資法人がようやく上場に漕ぎ付けた時のキックオフ・ミーティングでは男泣きしたそうですが、それまでの苦労や真面目な取り組み姿勢を見ていると私にもその気持が分かるような気がします。 今でこそJREITは大きくなり、世間からも注目を浴びるようになりましたが、私達がJREITという仕組みに取り組んだ頃は、夢だけを支えに活動していました。 当時は、三澤氏のような朴訥(ぼくとつ)とも思えるような人材しか見当たらず、地道な努力を覚悟した上での人たちが中心でした。 その彼が、上場直前に資産運用会社の社長を退きましたので何かあったのかと心配になりましたが、今日の訃報を聞いて何となく分かったような気がします。 プロスペクト・レジデンシャル投資法人の上場後は好調とは言えませんが、恐らく彼からすればスタート台に立っただけで、これからが本番という気持だったと思います。 最近のJREITの新興銘柄を見ると、色々なカラーがありますが、最初は、夢だけでこの世界に飛び込んできて地道な努力を重ねてきた人達によってJREITが作られたという事も知って欲しいと思います。 三澤氏は享年36歳で元旦に亡くなりましたが、志を同じくした人の夭折には何とも言えない気持ちになります。 安らかなご冥福をお祈りしたいと思います。 |