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2005.11.17.Up Dated.
投資家アンケートについて
  
ビー・アール総研がこのサイトを使って実施した「JREIT投資家アンケート」の集計結果が発表されました。
アンケート調査は既に3回目になりますが、JREITに関して、直に個人投資家の方から答えてもらうデータとして大変貴重なものだと思います。
内容を見ると、今までのアンケート結果と大きくは変わっていないようで、<配当利回り重視> <中長期投資姿勢>というJREIT投資のスタンスが継続しています。
利回り重視という投資家の姿勢は、JREITがインカムゲインを目的とした投資商品である事を再確認出来ますが、期待利回り率を見ると3〜5%の範囲内という現状の利回りで良しとする解答が58%、5%以上とする解答が40%になっています。
投資家にとって利回りが高いに越した事はありませんが、実際に5%以上の配当を実施しているのは、資産の転売によって配当金を捻出している東京グロースリート投資法人しかありません。
JREITのように不動産投資によって配当金を支払う仕組みでは、賃料収入だけで年5%以上の配当を出すには、LTVを私募ファンド並に70%程度に引上げる必要がありそうですが、償還がなく元本返済が不明確なJREITでは、金融機関が渋る可能性があるのと、将来の金利変動リスクが高まるという問題があります。
一方、投資期間は3〜5年・5年以上とする解答が71%を占めていますから、少なくとも5年間ぐらいは安定した配当金を出す必要がありますので、現状の各銘柄を見ると、5%以上の配当率は無理な注文だとも言えます。
然しながら、常にリターンを意識した資産運用を行うという姿勢は求められますので、資産運用方式に合理的なアクティブ運用方式を取り入れる工夫も必要です。
例えば、将来の亙る安定性を向上させる為に、資産の入替えを実施して不動産譲渡益を配当金に回すという手法も検討に値します。
特に、レジデンス銘柄のように保有物件数の多い銘柄ではこの手法も採り易いので、不動産市場の動向を睨みながら機動的に動くという資産運用も必要だと思います。
こう考えると、今は株価が低迷しているレジデンス系銘柄に色々な可能性がありそうですが、より高度な資産運用能力が求められますので、どの銘柄でも展開出来るというものではありません。
又、オフィスビル系銘柄でも、投資家へのリターンと将来のリスクを意識して資産売却を行う考えを持っているところもありますので、JREITも細かく見れば、少しずつ資産運用の方向が多様化していく可能性もあります。
誕生して4年のJREITでは、未だ多くは望めませんが、今後は資産運用の方向に工夫を凝らしながら、投資家にとって最も重要な資本政策を再度考え直す必要もあると思います。