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2005.10.13.Up Dated.
J-REITの二極化・多極化
  
JREITも24銘柄になると一律で語ることが難しくなりました。
株価を見ていても、90万円台の株価から40万円台と大きな幅があり、NAVとの乖離率でも50%のプレミアムを持っている銘柄とディスカウントになっている銘柄と両極です。
総じて、最近の上場銘柄の株価が低迷していますが、その理由を考えてみると、
@ 保有資産の質が相対的に劣る
A オリジネーターの知名度が低い
B 私募ファンドからの進出が多い
C 銘柄選別の投資判断情報が少ない
等がありそうです。
勿論、新規上場銘柄全てが劣っている訳ではなく、中には、既存銘柄と充分競争出来る可能性を持った所もありますが、これだけの上場ラッシュでは見分けるのも難しくなります。
「分からないものには投資しない」という判断も充分に合理的な判断ですので、現在の状況は健全だという見方も出来ます。
一方、新規上場銘柄の方でも、株価上位銘柄と競争するつもりはなく、そこそこの位置にあれば良いという考え方で進出してきた節が窺えます。
JREITへの上場準備は、遅くても1年以上前から着手しなくてはなりませんが、その時点では、JREITは、日の出の勢いで、どの銘柄の株価も続伸していました。
こうした状況を見て、2匹目、3匹目の泥鰌を狙って急遽JREITへの進出を決めた所もあると思いますが、結果は目論見に反して厳しい市場評価の洗礼を受けています。
このように考えると、上場後の株価低迷の本質的な理由は、上場準備段階でJREITを何処まで研究したかではないかと思います。
特に、私募ファンド系の銘柄は、自分達の世界の見方でしかJREITを理解しておらず、中途半端でやや安易な考え方で上場したとも言えます。
既に、数多くの銘柄と実例があったのですから、既存銘柄の保有資産や運用戦略を充分に研究すればもう少し違った状況になったかも知れませんが、それだと上場断念という結論になってしまったかもしれません。
兎に角、JREITに上場した以上、簡単に後には引けませんから、これからオリジネーターがどういう対応をするか、どういう協力をするかが一つのポイントになりますが、又、それによってオリジネーターのJREIT進出の真の意図が見えてくるのではないかと思います。